インダクタって重要部品ですけど、抵抗、コンデンサと比べると、イマイチわからないパラメータが多いですよね!
今回は、インダクタのパラメータについて記事にしました!
インダクタは電磁誘導の法則を利用している
インダクタとは、銅線をバネ状巻いたもののことをいいます!インダクタは別名コイルとも呼ばれます!
実は、ポケモンのコイルの名前の由来もこのコイルからきているんですよ!
インダクタは、電磁誘導の法則を利用した部品で、変動する電流に対して、変動を阻止する方向に起電力を発生させることができます。
そのため、電流エネルギーを磁気エネルギーとして蓄えるという働きがあり、低周波信号は通しやすく、高周波信号は通しにくいという性質を持っています。
インダクタはこれらの原理を生かしてフィルタ、チョークコイル、トランスに用いられています。
インダクタの重要パラメータは全部で6つ
①インダクタンス
インダクタンスとは、ある周波数において、磁束を生じさせている電流の比例係数のことで、単位はヘンリー[H]です。
磁束φ、電流I、インダクタンスLの関係式は以下のようになっています。
φ=LI
式を見てわかるように、磁束φはインダクタンスと電流の乗算から求められ、インダクタンスが高い程、磁束が発生しやすくなることが式からわかります。
②直流抵抗
直流抵抗とは、インダクタ(銅線)に含まれる抵抗成分のことです。
インダクタはただの銅線と言っても、微小な抵抗成分は存在します。この抵抗成分はインダクタの損失に影響してきます。
オームの法則から電力損失はp=i2rで表せるので、直流抵抗が大きければ大きいほど、損失が大きくなります。
③直流重畳電流
直流重畳電流は、インダクタンスが減少する電流値を表しています。
重畳とはいくつも重なることを意味していて、イメージは電流がだんだん増えていって(重なって?)ある値に到達するとインダクタンスが下がるような感じでしょうか!
インダクタに電流を流すと、インダクタンスが減少することは一般的なので、どのインダクタにも起こる現象ですが、直流重畳電流は、現象の目安を表す電流値になります。
多くのメーカーは、通常時よりもインダクタンス値が-30%になる電流を、直流重畳電流をしている場合が多いようです!
④Q値
Q値(Quality factor)は、ある周波数でのインダクタの性能を表す指数のことです。つまり、どれだけ優秀なインダクタであるかってことですね!
Q値が高ければ高いほど、理想的なインダクタとなり、Q値は次の式で表わすことができます。
(ω:角周波数、L:インダクタンス値、r:実行抵抗値)
$$
Q = \frac{ ωL }{ r }
$$
・インダクタンス値が一定
・損失ゼロ(直流抵抗=0、Q値=∞)
・流せる電流が∞
・発熱ゼロ
・自己共振周波数が∞
実際にこのようなインダクタは存在しませんが、これらのパラメータに近ければ近いほど、良いインダクタということになります。
⑤許容電流
許容電流はいわゆるインダクタの定格電流のことで、他の電子部品にもあるパラメータですね!
許容電流以上流すと発熱してインダクタが損傷する可能性があります。
また、インダクタには直流抵抗成分もあり、電流の2乗に比例して損失が生まれるので注意が必要です。
⑥自己共振周波数
自己共振周波数とは、インダクタの浮遊容量とインダクタンスで共振する周波数のことです。
自己共振周波数以上で使用するとインダクタンスとして機能しなくなってしまいますので、周波数には注意が必要となります。
インダクタはフィルタやトランスに使われる
インダクタの性質を利用して、ノイズを除去するため、フィルタやトランスに使われています。
フィルタとしてインダクタを使う場合、インダクトとコンデンサと組み合わせることで、ハイパスフィルタやローパスフィルタとして使うことが多いです。
これはインダクタの低周波を通し、高周波を除去する性質を利用している。
コンデンサと組み合わせなくても、チョークコイルをローパスフィルタとして使うこともあります。
他にはというと、インダクタはトランスとして使われます。
トランスとは一次側と二次側にコイルがある変圧器のようなものです。
一次側に電流を流すと、電磁誘導の法則によって磁界が生じ、次側に磁界が生じたことで、二次側にも磁界が影響します。
電流が流れると磁界が発生しますが、反対に、磁界が発生すると電流が流れるという性質もありますので、二次側にも電流が流れることになります。
このようにして電圧を変換し、回路に供給したい電圧を与えることが可能となります。
これもインダクタの性質を利用したものですね!
トランスの動作原理とは?単相と三相の違いについてもまとめてみた
つぶやき
インダクタを使いこなすのは、抵抗!コンデンサに比べると非常に難しく、使うときに私も色々な専門書を読みながら進めることが多いのが事実です。
より詳しくなるためには、インダクタを使った回路を作り続けて身につけるしかありません!
私も読者の皆さんと一緒に経験を積んでいきたいと思います!