ども!amasawaです!
半導体ってなんだ??導体の半分??半分だけ導体??初めて電子回路の勉強する人は間違いなく最初にこの課題にぶち当たります。中には、そもそも導体ってなんだよ、、、( 一一)って人も多いはず。
そんな人のために今回の記事を書きました。この記事で少しでも半導体に関する理解を深めてもらえたらと思います。
まずは導体、半導体、不導体の違いを理解する
普段からなにげなく使っているものには物質の種類があります。
誰もが使っているスマホ、野球で使っているバット、家にある窓ガラス、ごみ箱、全てなんらかの物質で構成されています。
「いやいや、スマホはスマホじゃん!」っていう方もいると思います。
もちろんスマホなんですが、今回はもっと細かい話をしています。スマホの縁や背面、液晶などは、プラスチックやガラス、金属でできてますよね。
野球じゃ金属バット、家にあるプラスチックのゴミ箱など周りを見渡してみましょう。これらの物質を電気屋目線で見てみると、大きく分けて電気を通すか、電気を通さないかの2つに分類することができます。
専門用語で表わすと、電気を通すものを導体、電気を通さないものを不導体または絶縁体と呼んでいます。誰もが知っているように金属は電気を通すので導体であり、ガラスやプラスチックは電気を通さないので絶縁体に分類されます。
導体と不導体の区別どうやっているかというと、抵抗率と導電率で決まります。抵抗率とは電気の通しにくさを数値化したもので、導電率とは電気の通しやすさを表したものになります。
抵抗率と導電率は呼び方を変えただけで、一方の値がわかればもう一方の値も計算で求めることができます。一般的に抵抗率をρ(ロー)[Ω・m]、導電率をσ(シグマ)[S/m]で表現し、これらの関係を式で表すと逆数の関係になります。
$$
\begin{eqnarray}
抵抗率 ρ &=& \frac{ 1 }{ σ } [Ω・m] \\
\\
導電率 σ &=& \frac{ 1 }{ ρ } [S/m]
\end{eqnarray}
$$
抵抗率 | 物質 | |
導体 | ~ 10-6 [Ωm] | 金属 |
半導体 | 10-6 ~ 108 [Ωm] | ゲルマニウム、シリコン |
絶縁体(不導体) | 108 ~ [Ωm] | ガラス、プラスチック |
続いて半導体の説明に移りましょう。
導体が電気を通しやすくて絶縁体が電気を通しにくいものですが、半導体は名前の通り導体と絶縁体の中間に位置するものです。表に導体、半導体、絶縁体の抵抗率と物質について書いてみました。半導体の主な物質はゲルマニウムやシリコンで、抵抗率は導体と絶縁体の間の値となっています。
電子回路でなぜ半導体が重要なのか?と疑問に思う方は多いと思います。回路を設計する必要があるということは、あるところに通電したり、しなかったり、ある条件を満たしたら、導通させたり、、、など、思い通りに動かす必要があるということですよね。
ということは、電気を流したり、流さなかったりする素子が必ず必要になります。これを実現できるのが半導体なんです!
実は、半導体には真性半導体と不純物半導体の2種類あり、それらの組み合わせによってスイッチのような特性をもつ素子を作ることができます。なので、回路設計では半導体の理解が非常に重要になるんです。半導体の種類は以下のように分類されています。
真性半導体は一般的に使用することが少ない
半導体の中でも、半導体に不純物がないものを真性半導体(intrinsic semiconductor)といい、英語の頭文字をとってi型半導体と呼ばれたりもします。
名前からして真性半導体のほうが世の中で使われていそうですが、実は、不純物半導体の方が一般的に多く使われています。
真性半導体では、不純物が添加されていないので、キャリアはイオン化不純物散乱(キャリア散乱の一種ですがここでの説明は省略します)の影響を受けません。そのため、キャリア散乱がなく原子が規則的に並んでいて、キャリア移動度が高くなります。
しかし、真性半導体はキャリア密度が低く、導電率が下がってしまうため真性半導体の用途はそこまで多くありません。
不純物半導体 n型半導体とp型半導体の違い
不純物半導体は真性半導体に不純物を添加することで構成されます。
添加する不純物は大きく分けてドナーとアクセプタの2種類あり、ドナーを添加した場合は自由電子を供給しn型半導体になります。逆にアクセプタを添加した場合は、ホールを供給しp型半導体となります。
一方アクセプタは、「受け取る者」を意味していて、電子を受け取るものとしてアクセプタと呼ばれています。電子を受け取るということは物質側にホールができることと同じなので、「ホールを供給する」という表現ししています。
不純物半導体はダイオードやトランジスタ、FETなどの素子に使われ、今日の回路設計には欠かせないものとなっています。
図の例はn型半導体とp型半導体の構造図し示しています。
n型半導体は、真性半導体にドナーであるリン(P)やアンチモン(Sb)の第Ⅴ族の物質を添加すると、電子が供給されn型半導体となります。電子が供給されることで、多数キャリアは電子で少数キャリアはホールとなります。
p型半導体は、真性半導体にアクセプタであるインジウム(In)やガリウム(Ga)の第Ⅲ族の物質を添加すると、結合のための電子が不足してホール供給されます。ホールが供給されることで、多数キャリアはホール、少数キャリアは電子となります。
これらn型半導体、p型半導体はpn接合ダイオードといった回路には極めて部品に応用することができます。pn接合ダイオードについてはこちらの記事で解説しています。
筆者のつぶやき
今回は半導体についてまとめてみました。回路設計で半導体は欠かせない存在になっており、構造を知らないまま使っている人も多いと思います。
実際に、必ず知ってないといけないわけではありませんが、構造を知って設計したほうが、今よりもっと回路設計が面白いと思うはずです!