ども!先日、回路の設計をしていてダイオードの選定をする時に後輩から何が違うのかを細かく質問されまくって、上手く説明できなかったamasawaです!
すっかり頭から抜けていたのが悔しいので、今日の記事では再確認も含めてダイオードの種類についてまとめたいと思います!
整流用ダイオード
整流用ダイオードは、名前の通り、電流を整える用途で使われいて、これはダイオードの一方向にしか電流を通さない性質を利用しています。
通常、交流の場合、プラス方向とマイナス方向のどちらにも電流が流れますが、整流用ダイオードがある場合は、マイナス方向に電流を流すことができませんので、プラス方向にしか電流は流せません。
整流用ダイオードを一つだけ接続した場合は、半波整流回路として交流を直流に変換しています。
整流用ダイオードの応用編として、ダイオードを4つ組み合わせたブリッジダイオードがあります。4つのダイオードを組み合わせるとどうなるのでしょうか?
ブリッジダイオードを接続した場合は、入力がプラス方向、マイナス方向どちらに出ても、プラスで出力され、図のような全波整流回路として使われます。
ダイオードの構成は、別記事でも説明していますが、p型半導体とn型半導体を組み合わせたPN接合方式のものとなります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
半導体とは?真性半導体、不純物半導体(p型、n型)の違いも一緒に解説
スイッチングダイオード
スイッチングダイオードは、回路のスイッチング動作に使用されるダイオードで、順方向電圧を印加した場合は電流が流れて、逆方向電圧を印加した場合は、電流を流さないダイオードです。
スイッチングダイオードは小型で、逆回復時間が短く、寿命が長い特徴があり、逆回復時間は、スイッチング動作において非常に重要なパラメータとなります。
逆回復時間とは、順方向電圧をかけた状態から逆方向電圧に切り替える時に、ON状態(ダイオードのアノードからカソードに電流が流れる状態)からOFF状態(電流が流れなくなる状態)になるまでの時間のことをいいます。
通常、スイッチング時間が長いと損失が大きくなってしましますが、逆回復時間が短いことで、高速スイッチングが可能となります。
ショットキーバリアダイオード(SBD)
ショットキーバリアダイオードは、他のダイオードに比べて大きく構造が違っています。
他のダイオードはpn接合を利用したものがほとんどですが、ショットキーバリアダイオードは金属と半導体の接合によってできており、それによる電気障壁(ショットキー障壁)を利用したダイオードです。
スイッチングダイオード同様、逆回復時間が短くスイッチングに向いていて、順方向電圧が低い特徴がありますが、漏れ電流が大きいデメリットもあります。
ショットキーバリアダイオードは、電流を多く流すため発熱しやすくなっています。
発熱すると、もっと悪いことに漏れ電流が増加し、さらに発熱してしまう悪循環に陥ってしまいます。
ショットキー自身の発熱もそうですが、周辺に発熱しやすい部品が配置されていると、熱が伝わることもあるので注意が必要です。
ファストリカバリダイオード(FRD)
ファストリカバリダイオードは、高速性を重視したダイオードで、スイッチングダイオードよりも逆回復時間が短い特徴をもっているため、数十[kHz]~数百[kHz]までの高周波のスイッチングに使うことができます。
順方向電圧は通常よりも高くですが、漏れ電流(逆方向電流)が小さく損失が少ないことから、PFC(力率改善)回路に用いられることが多いです。
構造は、通常の整流ダイオードと同じpn接合ですが、なにが違うのでしょうか?
それは、p型、n型半導体に含まれる不純物濃度の違いなんです!不純物濃度を変えることによって、ダイオードの特性を変えることができます。
筆者のつぶやき
見た目は同じダイオードでも、種類によって特性や役割が違ったりするので、一つひとつの違いをきちんと理解しなければと思います。
回路によっては使わないのもあるから忘れることもありますが、ふとした時に復習するとかなり勉強になります。
色々質問してきてくれた後輩君に感謝しなければ。。。