ども!先日電解コンデンサを故障させたamasawaです。
電解コンデンサは、回路を安定させるために電源部分に多く使われるため、非常に重要な部品で回路の中枢部と言っても過言ではありません。
しかし、電解コンデンサの使い方を間違えると簡単に故障してしまい、最終的には回路が全く動かなくなることも考えられます。
今回は電解コンデンサ故障によってどんなことが起きてしまうのかを理解していただくために、コンデンサ故障モードとその原因についてまとめました。
電解コンデンサ故障には注意を払うべき
回路設計者であれば、回路の故障は避けたいのは当たり前ですが、その中でも回路中枢部の一つである電解コンデンサ故障は注意すべき部品でしょう。
使い方にもよりますが、電解コンデンサは大容量である特徴から、回路の電源部に使われることが多くあります。その電解コンデンサが故障したら、それより後ろにある回路すべてが思い通りの動作になってくれなくなるため、故障ばかり起こったらと思うとぞっとします。笑
ですので、設計段階で電界コンデンサの電流、電圧、温度、実装などの検証はとても重要になります。
電解コンデンサの主な故障モードを理解しよう
故障モードとカッコイイ言い方をしていますが、いわゆる故障の仕方のことです。それぞれの故障の仕方と原因について解説します。
ショート故障と圧力弁の作動
電解コンデンサのショート故障とは、プラス端子、マイナス端子の抵抗値がほぼ0Ωになってしまうことです。
回路の入力Vin-GND間に電解コンデンサをつないでいてショートでもしたら入力電圧からGNDに大電流がながれてしまいます。
回路の入り口にヒューズを入れてる場合はヒューズがとんで回路が使えない状態になってしまいます。でも、ヒューズは回路の被害を最小限にするために入れる者ですが、ヒューズが飛んだ場合、修理しなければ再び回路を使うことはできませんね。
ショート故障が起こる原因として、絶対最大定格を超えた範囲での電圧印加、過リプル電流、高温状態での使用があります。定格を超える範囲で電解コンデンサを使い続けた場合、発熱によって誘電体の耐電圧が低下し、絶縁破壊をおこします。
絶縁破壊を起こしたことで、誘電体に大電流が流れると、コンデンサ内部でガスが発生して内圧が上昇し圧力弁が作動します。
ショート故障は、圧力弁が作動した時に電極間が短絡したり、過度な機械的ストレスがかかることでも起こります。そのため、電気的に気を付けなければならないのはもちろんのこと、コンデンサに衝撃や振動が加わらない位置に実装することが大切です。
オープン故障
オープン故障とは、回路が完全に切り離された状態のことを表します。つまり、コンデンサとしての役割を一切しなくなります。これはこれで、タチの悪い壊れ方だと私は思います。
私の経験を言うと、回路設計したときに電解コンデンサを実装し忘れ事件がありました。笑
本来であれば、大容量のコンデンサは入力波形を平滑化して、コンデンサ後の回路に大電圧を印加しないような役割をしてくれるのですが、入れ忘れたことで、回路に大電圧が印加されてしまって使い物にならなくなったことがあります。
コンデンサのオープン故障とは、まさにこれと同じで、コンデンサを付けてない状態と同じになるという事です!
電解コンデンサがオープン状態になる原因は主に断線です。断線はコンデンサに機械的ストレスが加わった場合に起こりやすく、断線すると接触不良によりオープン状態となります。
特にディップタイプの電解コンデンサはプラス端子、マイナス端子それぞれをスルーホーヅにはんだ付けします。スルーホールでコンデンサの足がリード線タイプだとはんだ付けの面積が小さいため、端子部分に強いストレスが加わった場合、どうしても断線のリスクが発生してしまいます。
そのため、電解コンデンサを実装するときや、実装後の基板には衝撃が与えられないように注意が必要でしょう。
オープン故障のもう一つの要因として腐食があります。腐食の原因についてはハロゲン系物質の侵入です。ハロゲン物質というと難しく聞こえますが、身近なものだと接着剤やコーティング剤に含まれています。
電解コンデンサの断線を防止するために、コーティングをしすぎても腐食の原因にもなるので注意が必要です、しかし、腐食はすぐに起こるものではなく、設計する製品など使用用途にあわせてコーティングなど問題がないがメーカーに問い合わせても良いでしょう。
コンデンサの容量減少、損失の増加
電解コンデンサは、他のコンデンサと比べて極性を持っています。そのため、極性に対して逆電圧を印加した場合や、過激な充放電を繰り返した場合、静電容量が減少し、損失が増加します。
基本的に、電解コンデンサを定格値以下であればこのような事は起こりません。
あらかじめ使用条件を整理してから部品選定を行いましょう。
まとめ
電解コンデンサは使い方を間違えると、回路故障に直結する可能性が高い部品です。設計をする際にはコンデンサのデータシートを必ず読んで、定格の範囲内で使いましょう。