オペアンプの基本、反転増幅回路、非反転増幅回路の違い

電気・電子

今回はオペアンプの回路について説明したいと思います!

 

オペアンプは信号を増幅できる半導体!

オペアンプとは「Operational Amprifier」の略で演算増幅器とも言います。

 
名前の通り、回路上で信号を演算し増幅する役割があります。

 
信号を増幅できるということは、微小な信号も見やすくできるってことですね!

 
オペアンプ(一つ内蔵)の端子には、電源のプラス端子、マイナス端子、入力のプラス端子、マイナス端子、出力端子の計5個の端子があります。

 
オペアンプを使用するためには、電源のプラスマイナスを接続して使用しますが、回路図によってはオベアンプの電源を省略して書く場合もあるので、注意が必要です。

 
オペアンプを使った回路では、加算回路、減算回路、微分回路、積分回路などがありますが、これらの他によく使われる回路として、反転増幅回路、非反転増幅回路があります。

 
この二つの回路は、ADコンバータのような微小な信号を増幅させたい時に使われることが多く、オペアンプを扱う上では非常に基本的な回路となります。

 

理想的なオペアンプで動作を理解しよう

オペアンプを使うにあたって、理想的なオペアンプに近ければ近いほど、良いオペアンプと言うことができます。

 
オペアンプの動作を理解したいときは、理想的なオペアンプで考えて見るのがわかりやすいでしょう。

 
では、それはどんなオペアンプなのでしょうか。

 

①利得が無限大
②入力インピーダンスが無限大
③出力インピーダンスが0
④入出力の位相遅れが0
⑤入力オフセット電圧が0
⑥周波数帯域が無限大

 
実際、オペアンプがこれらの条件全てを満たすことは非常に困難ですが、各メーカーが理想的なオペアンプを開発できるように日々奮闘しています。

 
また、反転増幅回路、非反転増幅回路ほ動作を理解するにあたり、重要な考え方は仮想短絡です。別名、バーチャルショートやイマジナリショートとも言います。

 
負帰還の回路を構成したとき、入力のプラス端子、マイナス端子が短絡しているように考えることができることから仮想短絡と呼ばれています。

 

反転増幅回路

 
反転増幅回路は、名前の通り入力と出力が反転する回路で、オペアンプを使った回路の中ではとても基本的なものです。

 
反転増幅回路は図のようになり、回路の計算は、理想的なオペアンプとして計算を行います。

 
入力インピーダンスを無限大としたとき、入力のプラス端子、マイナス端子に電流は流れず、仮想短絡からこれらの電位は同じと考えて計算をします。

 
反転増幅回路の出力は、入力値と回路の増幅率で決まり、増幅率は回路の抵抗値の比率で決定します。

 
回路の式は以下の通りになります。

 
$$
\frac{ V_{out} }{ V_{in} } = \frac{ R_{2} }{ R_{1} }
$$
変形すると
$$
V_{out} = -\frac{ R_{2} }{ R_{1} } \times V_{in}
$$

 
図の例の場合、R1=10kΩ、R2=150kΩなので、増幅率は15倍になります。

 
反転増幅で入力端子+と-が仮想短絡してると考えると、入力に対して抵抗R1を介してオペアンプを通じてGNDに繋がっていると考えられます。

 
すると、入力インピーダンスは抵抗R1の値そのものになります。

 
また、出力電圧はオームの法則から

 
$$
V_{out} = R_{2} \times I_{2}
$$

 
となることが分かります。
(I2はR2に流れる電流)

 

非反転増幅回路

 
非反転増幅回路は、反転増幅とは逆で、入力と出力が反転しない回路です。これも反転増幅回路と並んでオペアンプの基本的な回路になります。

 
回路は反転増幅とは違いオペアンプの「+」に入力信号が接続されます。

 
回路設計を行う際には、抵抗の定数で増幅率(ゲイン)を決定します。

 
$$
\frac{ V_{out} }{ V_{in} } = \frac{ R_{3} + R_{4} }{ R_{3} }
$$
変形すると
$$
V_{out} = \frac{ R_{3} + R_{4} }{ R_{3} } \times V_{in}
$$

 
となります。

 
非反転増幅回路で仮想短絡を考えると、入力端子+は入力電圧と同電位になるので、入力インピーダンスは無限となります。

 
そして出力は入力端子-が入力端子+と同電位に追従するような電位になります。

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