ボルテージフォロアって実際何が良いのか最初はわかりませんでした!今回はボルテージフォロアについて説明したいと思います。
ボルテージフォロワとは?
ボルテージフォロワはオペアンプを使った回路の一つです。オペアンプの増幅回路の前段にいれて使ったりしますが、ゲイン1倍の回路となっているので、使う用途がイマイチわからない方も多いと思います。
しかし、ボルテージフォロワの有無で回路の安定性がかなり変わるので意味をきちんと理解しましょう。
ボルテージフォロワは図のような回路になります。
入力端子+に入力信号、出力端子と入力端子-を接続します。回路としてはとてもシンプルなものになります。
これは非反転増幅回路の帰還率が100%(全帰還)の非反転増幅回路と考える事ができます。
非反転増幅回路をもう一度復習してみましょう。
これは、オペアンプの基本、反転増幅回路、非反転増幅回路の違いで説明した非反転増幅回路です。
これを、ボルテージフォロアに置き換えて考えてみると、全帰還なので抵抗R4は0Ωとします。
そして抵抗R3側の回路は繋がっていないので、R3=無限大とします。これで出力電圧を計算してみると、次のようになります。
$$
\begin{eqnarray}
V_{out} &=& \frac{ R_{3} + R_{4} }{ R_{3} } \times V_{in} \\
&=& V_{in}
\end{eqnarray}
$$
計算から、入力電圧=出力電圧となり、ゲイン1倍の非反転増幅回路となります。
ボルテージフォロワの特徴
ゲインが1倍の増幅器では意味がないかというとそうではありません。
ボルテージフォロワには次のような特徴があります。
・入力インピーダンスが非常に大きい
・出力インピーダンスが小さい
ボルテージフォロワはこの特徴を活かして、電圧を変えずにインピーダンス変換を行うことができます。
入力インピーダンス変換はどのようなときに必要か
インピーダンス変換は、回路の入力インピーダンスが小さい場合に使います。
入力インピーダンスが低いと、信号源、回路パターン、リード線、測定器などの影響で入力信号に誤差が出る恐れがあります。
誤差が出るのを防ぐために、ボルテージフォロワでインピーダンス変換を行います。これにより、入力検出の誤差を防止することができます。